ウォンウォン、ボボボボ。
暖気するエンジンの音で目が覚めました。久しぶりのレースらしい朝。
どういう順番で何をするべきなのか、半分忘れかけた記憶をたぐります。
トイレ行って、朝ごはん食べて、片付けて、着替えて、キャメルバックに水を仕込んで、開会式。
半分記憶が飛んでるので、プロテクターしないでモトパン履いちゃったりしちゃてドタバタ。
でも、前回みたいにピットインしてブーツ履いてない…なんてこたぁありませんでした。
ピットイン、スタート10分前。この待ち時間がかなり緊張。
スタート直後に団子になって転けないように、マイペースで行こう、と心に固く誓う…
そしてスタート、最初の方は順調に進む。結構走れる。
足付きは161cmの私にはそんなに良いとは思えないけれど、
それを感じさせない低重心、サスの柔らかさでクネクネ曲がれる。
ギアも落としてあるので、トコトコ走りもできる。
今回のコース、ギャロップにしてはかなりクネクネです。
クネクネ走りは得意なはずなのに…
順調に走っている感じだったが気持ちは先走ってた。
かなり焦ってた。わけもなく早くいかなきゃ、心ここにあらず。
そんな時、平地からちょっとした1mくらいの坂を駆け上がり、そのままアクセルで登る!と思った瞬間、そこは登りではなく極端に平地…コース見誤り、フロントブレーキ!一歩遅かった!えらい勢いで木に激突!
左手を木との間にはさみ、左ハンドガード・ポキッ、
勢いでバイクが右の地面へ倒れる、右ハンドガード・ポキッ。
なんと開始早々10分もたたずして、見るも無惨、ハンドガードはお亡くなりになってしまいました。
あーあ、泣、だから言ったのに。私ごときがこんなおしゃれなハンドガードつける資格がないのだ。
他は大丈夫か?とXRを確認。意外と無事…が、クラッチレバーがやけに重い。
指4本掛けでも重い…こりゃピットインだ。
とれてしまったハンドガード2枚を耳そろえて激突した木の根元に献上。あとで取りにこよっと。
一周で左手握力が奪われ、コース後半のウッズがメチャメチャ。
そこで見学のダースペ軍団が目の前に!、正直「助けて〜!」と叫びながら通り過ぎた。
どうもこの時、XRはデュークのようなお面になっていたらしぃ。
極悪のウッズを通りすぎピットへ戻り、工具出してハンドル周りをいじる。
息もあがって、キャメルの水も上手く飲めず、ピットで飲んで少し休む。
んー…行きたくないけど、行かねば。
もう一周するが、左手の握力が限界で、ウッズでは気持ちは急ぐは、クラッチ切れないは、フロントブレーキもあんまり効かないは、もうとっちらかっちゃって体力の限界。
またまたピットイン。するとダースペ軍団が居てくれた。
johさんにレバーが固いことをつげると、いろいろやってくれた。
その間にいろいろ見ると、クラッチホースになにやら曲がって干渉しまくってる。
これだ。
直して、自分はもうヘロヘロで直んないけど、とにかくもう1周…とコースに。
そして激突2回目。
コース最初の砂利道林道を通り過ぎて入る森の2本レール。
どちらもウォッシュボード状態。
もう疲れ過ぎているので、轍に入りたくない病が発症。
と、フロントを轍にいれないように上げたらすっぽ抜けた!
で反対向いちゃって木と木の間に激突!
あーあ。またやっちった。
でも、フェンダー折れてない、傷もあんましない。
引きずり出してみると、まぁ大丈夫かな?
で、エンジンかけようとニュートラル…あれ?
ペダルがない。(顔真っ青)
ペダルを良くみると本来前に向かってるペダルが180度反対向いている…
その状態からシフトをあげようとするも、無理。
リタイヤを覚悟する瞬間でした。
後ろからきたマーシャルさんを呼び止め、リタイヤすると言いました。
すると、笑顔が素敵なマーシャルさん。
「あぁ、これ」と、シフトペダルを握りしめ、うにょにょにょ〜と怪力で元の位置に。
「これでどう?」…どうって、あんた…・・・
しばしの沈黙後「ピットまでは行けますよね」と答えました。
で、私の中ではピットまでのはずだった。
ピットで休憩。
休憩してたら、安っさんが「時間的にあと一周やな」とせかされ、
しょうがない。一周行くことに。あと一周だもーん、とがんばった。
やっと、気持ちが先走りすぎていることを認識しはじめ、
なんだか効かないフロントブレーキをリアブレーキで改善。
座ってしまうとリアブレーキが上手く使えないからスクワット状態。
辛い…これか、辛いって言ってたのは。(普段、棒立ちなのでわからなかった)
とにかく体力消耗しないよう、スクワット我慢してでもウッズで止まらないを心がけるが、
ハンドガードがないので、takeさんが仕組んだ木と木の間がハンドル幅になってる罠の手前は止まっちゃう。ぶら下がっているツタを手に受けるだけでも激痛。
ハンドガードある時は重戦車のように薮でもなんでも向かっていけるのに…そんな野蛮なことをさせてくれないのがstrada。。。
今考えれば、トライアルテク使えれば行けるんだろうな…精進します。
で、やっとチェッカーフラッグ…と思いきや、段ボールになにやら書かれている。
「あと一周」
えぇ〜!あと一周するのぉぉぉ〜。。。
もうすべてが終わったと思ったのに‥まっ、でもピットに行かない周回はなかったから一回くらい良いか…と周り始める。
それからすぐに後ろの方が詰まってるな…と4stレーサーの轟音を感じ、道を譲ろうと、端を走るが抜いてくれない。疲れたから抜いてもらおうと止まった。あれ?抜かされない。と後ろを振り向くと5台くらいが連なってみんな止まってる。「へっ?」
マーシャル軍団でした。ということは私どん尻っ?!がーん…
轟音に追いかけられへべれけ状態の私にはかなりきついお仕置きになりました。
そうして走っていると一台抜いてくれた…あれはtakeさんだ!
それからtakeさんとドライブで…しごかれました。
「なんでそんなギャップのとこ走ってんだ!端っこ走れ!」と走ってても聞こえるでかい声。
確かにスムーズなtakeさんの走り。しばらく後をついて走る。
レース出たての頃は端っこばかり走ってた。端っこしか走れなかったからだ。
で、今はウォッシュボード状の路面とかどう処理したら良いかわからず、わからないから走ってた。
でも、このマシンはウォッシュボード上を走るより路面状況を判断してクレバーな走りに徹するバイクなのかな。KTMとかだったらたぶん何の気なく行っちゃうのかな?などと考えながらtakeさんの後を追走。ちょっと幸せ♪
そしてウッズに入り、後ろから「あと4分!がんばれ」とせかされ、最期の最期でクレバーな走りが出来てチェッカー。良かった。怪我もなく終われた。
けどダメダメな自分が。と反省できるくらいすんごく楽しかった!